木陰から路面電車の駅を

路面電車の駅

路面電車に初めて乗ったのはどこでだろうか。子どもの頃に遊びにいった岡山かなぁ。関西に出てから遊びにいった京都で(京福電鉄に?)路面電車みたいなのがあったような無かったような。

 

   ベタ読み(論理的にありうる手を片端から読む作業)を覚えたのは、詰め将棋を通してのことであった。指し将棋はほとんどしたことがなく(入門の時に祖父に遊んでもらったのもいれて、たぶん生涯で50局ぐらい)、詰め将棋をパズルとして楽しんだ。二〇歳中頃のある年、夏から秋にかけて、詰め将棋を一手詰め、三手詰め、五手詰め、七手詰め、九手詰めぐらいまで、順にそれぞれ200問ぐらい遊んだと思う。

   読む作業の遂行能力が低いままに、碁会所初段ぐらいまでなれてしまっていた囲碁で、ようやく本当の意味で囲碁を打ち出したのは、この夏が切っ掛けだったのだろうとおもう。まあ、その後に囲碁(詰め将棋も)10年ほど中断して、本格的に読む能力を鍛えはじめたのは40歳を越えてからであった。

   そのおかげで、読めない状態がどういう状態なのかを(部分的にではあれ)自覚的に把握できている。幼少の頃から囲碁を初めて、囲碁に適正があって本格的に強くなった人は、たぶん、このあたりの事情の把握がなかったり、弱かったり、甘かったりしていると思う。できないものはできないのだ。そして、できるようになっていく過程もそれなりに迷いが多い。大人になってから読む作業をできるようになるには、いろいろ壁がある。